トップ時の日誌 ›「人を軸に考えるほうが、豊かになれる気がした」——ユニコーンではなく“ゼブラ”を選んだ、あるIT企業の15年の軌跡

「人を軸に考えるほうが、豊かになれる気がした」——ユニコーンではなく“ゼブラ”を選んだ、あるIT企業の15年の軌跡

「自分がやりたい、輝けることって何だろう?」 そんな問いかけから、僕たちの新しい挑戦は始まりました。

株式会社リーフワークス。2010年に創業し、今年で16年目を迎えるIT企業です。 今回、僕たちは新たにYouTubeチャンネルを立ち上げ、「ゼブラ企業」という新しい会社のあり方について発信を始めることにしました。

なぜ今、YouTubeなのか。そして、なぜ急成長を目指す「ユニコーン」ではなく、共存と持続可能性を重視する「ゼブラ」なのか。

その背景には、創業からこれまでの15年間で経験したこと、、そこから生まれた「人」への想いの変化がありました。

「俺だけが頑張っている」という孤独と驕り

時計の針を少し戻しましょう。僕(澤)がプログラミングに出会ったのは学生時代でした。ゲーム制作に没頭し、Web系会社のアルバイトを経て22歳で独立。そして2010年、リーフワークスを創業しました。時計の針を少し戻しましょう。僕(澤)がプログラミングに出会ったのは学生時代でした。ゲーム制作に没頭し、Web系会社のアルバイトを経て22歳で独立。そして2010年、リーフワークスを創業しました。

当時の僕は、正直に言えば「会社を大きくしたい」「稼ぎたい」という野心で動いていました。最初こそ一人でしたが、仕事は順調。食べていくには困らない。しかし、ふと寂しさを感じるようになったのです。「お客さんに喜んでもらえても、一緒に『やったね』と喜び合える仲間がいない」。

そこで3期目頃、専門学校時代の友人を誘い、少しずつ組織としての形を作り始めました。人が増え、オフィスも移転し、外から見れば順風満帆な成長に見えたかもしれません。

しかし、その裏で僕は組織作りの壁にぶつかっていました。

いわゆる「鍋蓋(なべぶた)組織」です。僕がトップにいて、あとは全員フラットな並列。メールの送信も、ソースコードのチェックも、すべての決裁が僕を通らないと進まない。

ボトルネックは常に自分。それなのに、僕は勝手にこう思い込んでいたのです。 「なんで俺ばっかりこんなに頑張ってるんだ」 「みんなは俺ほど考えていないんじゃないか」

今思えば、そんなことは全くありませんでした。しかし当時の僕は、余裕のなさから社員との間に勝手な壁を作り、自分自身を追い込んでしまっていたのです。

チームが救ってくれた「不可能なプロジェクト」

転機は突然訪れました。 当時、受託開発と並行して、自社サービス(現在の『Palette CMS』の原型)を作りたいという構想がありました。しかし、開発には時間もコストもかかります。そこで僕は、ある無謀な賭けに出ました。

「この自社サービスのプロトタイプになりそうな案件を、受託として取ってしまおう」

しかし、その案件の納期はわずか2ヶ月強。規模を考えれば、通常なら不可能なスケジュールです。案の定、納品当日になっても完成度は8割。

「もうダメだ、間に合わない」。絶望しかけた僕に、声をかけてくれたのは社員たちでした。

「残ってやりますよ」

その言葉通り、メンバーは徹夜でコードを書き続け、朝まで必死に食らいついてくれました。結果、なんとか納品できる形まで持っていくことができたのです。

安堵と共に、強烈な実感がこみ上げました。 「ああ、俺は一人でやってるんじゃないんだ」

僕が勝手に孤独を感じていただけだった。

彼らはこんなにも会社のために、そして僕のために力を貸してくれる存在だったんだ。 その時、僕の中で何かが大きく変わりました。お金や売上といった数字よりも、もっと大切なもの。

「人が育つ姿を見ること」や「仲間と共に目標を達成すること」のほうが、人生において遥かに豊かで幸福度が高いことだと気づいたのです。

「ユニコーン」ではなく「ゼブラ」だった

それからの僕は、明確に舵を切りました。 利益を追求するだけの経営ではなく、社員の生活、家族、そして彼らの「豊かさ」を最優先にする経営へ。

「もっと余裕を持って働いてもいいんじゃない?」 

「着実な成長でいいんじゃない?」

そうやって社内制度を整え、働き方を見直していく中で、社員から「社長、最近変わりましたよね」「雰囲気が良くなった」と言われるようになりました。以前の僕は、よほどピリピリしていたのでしょう(笑)。

そんなある日、知人から「ゼブラ企業」という言葉を教わりました。 急成長・市場独占を目指す「ユニコーン企業」に対し、持続可能性・共存・社会貢献を重視する企業のことを指す言葉です。

調べてみて驚きました。

「これ、うちのことだ」。

上場を目指すわけでもなく、誰かの真似でもなく、自分たちが面白いと思うものを「プロダクトアウト」で作り、着実に歩んできた道のり。そのすべてが「ゼブラ」の定義にしっくりとハマったのです。

社内のメンバーに「うちってゼブラ企業っぽいよね」と投げかけると、みんなも即座に納得してくれました。僕たちは目指してそうなったわけではありませんが、自分たちの信じる「豊かな働き方」を追求した結果、自然とゼブラになっていたのです。

僕たちが考える「社会貢献」とは

ゼブラ企業の定義の一つに「社会課題の解決」があります。 

こう聞くと、過疎地域の再生や環境問題への取り組みをイメージするかもしれません。もちろんそれも素晴らしいことですが、僕たちはもう少し広い意味、あるいはもっと身近な視点で捉えています。

それは、「一人ひとりが、自分のやりたいことで輝ける社会を作ること」。

「ライスワーク(食べるための仕事)」だけで人生を終わらせるのはもったいない。自分の好きなこと、やりたいことを仕事にし、そのプロセスさえも楽しめる状態を作ること。 個人の熱量が上がり、その人が輝くことで、結果として周りの人も社会も豊かになっていく。

それこそが、僕たちが目指す社会貢献です。

リーフワークスという環境を使って、メンバーがやりたいことに挑戦できる。失敗してもいいから、その一歩を踏み出せる。そんな土壌を作ることが、僕の役割だと思っています。

このYouTubeチャンネルで伝えたいこと

だからこそ、この新しいYouTubeチャンネルでは、きらびやかな成功談だけを語るつもりはありません。 僕自身、最初はただのゲーム好きな学生でした。特別な才能があったわけでも、最初から立派な志があったわけでもありません。泥臭い失敗を繰り返し、仲間に助けられながら、少しずつ前に進んできただけです。

世の中の「すごい人」たちも、最初はみんな「ゼロ」でした。 

その過程(プロセス)には、迷いや葛藤、そして小さな決断の連続があります。

「あなただからできたんでしょう?」ではなく、「動いたから、変わったんだ」。

そう感じてもらえるような、等身大のドキュメンタリーを届けていきたい。 現在進行形で挑戦している「ゼブラ」な人たちのリアルな姿を発信することで、「自分にもできるかもしれない」「ちょっとやってみようかな」と、一歩を踏み出す人を増やしたいのです。

リーフワークス自体も、まだ道半ばです。 「ゼブラ企業」という旗を掲げた僕たちが、これからどう変化し、どんな壁にぶつかり、どう乗り越えていくのか。このチャンネル自体が、一つの実験であり、挑戦の記録でもあります。

月に1本、ゆっくりとしたペースかもしれませんが、僕たちの「冒険」を一緒に見守っていただければ嬉しいです。

「人を軸に物事を考えていく方が、なんか豊かなんじゃないかな」

そんなシンプルな、でも確かな実感を胸に、これからも歩んでいきます。 どうぞよろしくお願いします。

時の日誌

TOKIZA

The Base of Creation and Challenge